【第6回】このまま会社にいてスキルアップできているのか不安。何か始めるべき?|キャリモヤLab

「このままでいいのかな」と悩むあなたへ
ご相談(30代、女性)
今の会社では人材育成の仕組みがほとんどなく、仕事内容も偏りがちなためスキルアップできている実感がありません。ある程度長く働いてきて、自分が他の会社でも通用するスキルが身につけられているか不安になってきました。
焦りや強い危機感ではないのですが、何となく「このままでいいのかな」と感じることが増えました。
こういうときって、やっぱり何か始めたほうがいいのでしょうか?
「このままでいいのかな」と感じるのは、次のステージへのサイン
「このままでいいのかな?」
そんな漠然とした不安を抱える人は、実は少なくありません。
- 人材育成の仕組みが弱く、スキルアップの実感がない
- 担当業務が偏っていて成長を感じられない
- 他社でも通用する力がついているのか不安になる
焦りや明確な不満がなくても、「この状態が続いていいのか?」という小さな違和感が積もることで、キャリアのモヤモヤは大きくなっていきます。
シュロスバーグの転機理論(Transition Theory)より
このようなモヤモヤは、キャリアの転機が訪れたサインかもしれません。
心理学者ナンシー・シュロスバーグの転機理論では、人生に起こる“変化”や“転機”は、必ずしも大きな出来事だけではなく、「内面的な気づき」も重要な転機とされています。
つまり、「なんとなくこのままでいいのか不安になる」という状態も、次のステージへの入り口なのです。
大切なのは、「このモヤモヤにどんな意味があるのか?」を考えてみること。変化を受け入れ、自分の資源(時間、人脈、知識など)を活かせるよう準備を始めるタイミングなのです。
転機理論とは、人が「転機(Transition)」に直面したとき、どのように適応し、乗り越えていくかを整理・支援するためのフレームワークです。
転機とは「人生や仕事の役割が変化する出来事や気づき」のことを指し、それにどう適応するかがキャリア形成に大きく影響するとされています。
「市場価値がないかも…」の正体とは?
多くの人が陥りがちなのが、「スキル=特別な専門性」と思い込むこと。
でも実は、企業が重視するスキルには以下のような“ポータブルスキル”も含まれます。
- 課題解決力
- コミュニケーション力
- タスク管理力
- 柔軟な対応力
- 調整力
もしこれまでの経験の中で、「チームで成果を上げた」「後輩をサポートした」「複数業務を効率よく回していた」などの実績があるなら、それは立派な市場価値。
まずは「自分の棚卸し」をして、今あるスキルを可視化してみることから始めましょう。
不安を感じることは、むしろ自然で、重要なキャリアの転換期にあるとも言えるんです。
「何かを始めたほうがいいのか?」
この時期にやってみると良いことのひとつは、「自分のキャリアの棚卸し」です。
- 今までどんな仕事をしてきたか?
- その中で、何が得意だった?楽しかった?評価された?
- 逆に、どんなときに違和感があった?避けたくなった?
こうした振り返りを通じて、自分が「何を強みとしてきたのか」「何を大事にしてきたのか」が見えてくると、次に進むためのヒントになります。
加えて、職種の定義が曖昧だと感じている場合は、業界や他社での「同職種」の定義を調べてみることもおすすめです。
比較することで、自分のスキルの言語化や、市場での立ち位置を確認することができます。
小さな一歩:何かを始めるべき?
結論から言えば、「はい、何かを始めてみること」をおすすめします。
でも、それは転職や資格取得など大きな行動でなくても大丈夫。
例えば――
- 興味のある分野の勉強を少しだけ始める
- 外部セミナーに参加して、他社の人と話してみる
- LinkedInやWantedlyなどで他社の仕事に触れてみる
- キャリアコンサルタントとの相談で、自分の方向性を整理してみる
「キャリアの軸」を持つことが、不安を安心に変えていく第一歩です。
行動しながら、内省することで道は見える
実際に相談に来られる方の多くは、「なんとなく不安だけど、何をすればいいのかわからない」という方ばかりです。
でも、話をしながら棚卸しをしていくと、自分でも気づかなかった強みに出会えたり、「本当はこうなりたい」が見えてきたりするものです。
「モヤモヤしている状態」を放置せず、行動しながら内省することで、キャリアの選択肢は自然と開けていきます。
まとめ|あなたのキャリアは、あなたがつくっていける
「このままでいいのかな」と思ったときこそ、キャリアを見直すチャンスです。
大事なのは、焦らず、でも立ち止まりすぎず、自分の感覚に正直に向き合うこと。
ひとりで抱え込まず、誰かと話しながらでも大丈夫。
あなたのキャリアには、まだまだ可能性があります。
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